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北口榛花選手:マルチスポーツ経験から生まれたやり投げの金メダリスト

北口榛花(きたぐち はるか)選手は、2024年のパリオリンピックで女子やり投げの金メダルを獲得し、日本陸上界に大きな歴史を刻んだアスリートです。しかし、彼女の成功の裏には、複数のスポーツ経験が深く関係しています。「マルチスポーツを通じて得た身体能力と競技への適応力」こそが、北口選手の真の強さの秘密です。本記事では、彼女の軌跡をマルチスポーツとの関連で掘り下げて紹介します。

マルチスポーツとは、子どもたちが複数のスポーツを同時期に行うこと

目次

北口榛花選手のプロフィール

生年月日: 1998年3月16日

出身地: 北海道旭川市

身長・体重: 179cm/86kg

所属: 日本航空(JAL)

特技・趣味: 水泳・バドミントン・チェコ語学習

経歴と主な実績

  • 高校時代
    • 旭川東高等学校進学後、陸上競技を開始。やり投げを始めてわずか2か月で北海道大会を制覇し、2年生の時には全国高等学校総合体育大会(インターハイ)で優勝しました。
  • 大学時代と国際大会
    • 日本大学進学後、2015年に日本陸上競技連盟の「ダイヤモンドアスリート」に認定され、同年の世界ユース選手権(コロンビア・カリ)で金メダルを獲得。
    • 2019年には日本記録を更新。
    • 東京2020オリンピックで決勝進出。
  • 近年の活躍
    • 2021年ダイヤモンドリーグで優勝。
    • 2022年の世界陸上オレゴン大会では銅メダルを獲得。
    • 2023年のダイヤモンドリーグでは67m04を投げ、日本記録を更新。日本人初のダイヤモンドリーグ優勝、女子やり投げで日本人初の世界陸上メダル獲得を成し遂げました。
    • 2024年のパリオリンピックでは、女子やり投げで金メダルを獲得し、日本陸上女子フィールド種目で初のオリンピック金メダリストとなりました。

所属とコーチ

  • 2020年4月1日付で日本航空(JAL)に入社し、同社所属のアスリート社員として活動しています。 JAL
  • コーチはチェコのデイビッド・セケラック氏に師事し、技術向上に努めています。

自分からコーチへの指導依頼を申し入れたそうです。

やり投げ以外のスポーツ経験

幼少期:水泳とバドミントンで培った基礎能力

北口選手の運動能力は幼い頃から非凡でした。旭川市出身の彼女は、自然豊かな環境で3歳から水泳を始め、中学時代には全国大会に出場しています。水泳では全身の筋力と心肺機能が鍛えられ、バランスの取れた体作りに大きく貢献しました。

また、並行してバドミントンをプレーし、小学校時代には全国小学生バドミントン選手権大会で団体優勝を飾りました。日本トップクラスの山口茜選手とも対戦した経験があります。 オリンピック公式サイト

バドミントン特有の動きである「ステップワーク」や「瞬発力」、「目と体の連動性」は、やり投げでの踏み切り動作や投げる際の正確なコントロール力として発揮されています。また、本人も「バドミントンは腕を振る動作が重要で、それはやり投げに直結しているなと感じます。やり投げのポールを投げる感覚とはまた違うのですが、バドミントンから転向したところが生きています。」と述べています。

小さい頃から両親と公園でボールを投げたり、野球やサッカー、テニスなどもしていたそうですよ。

陸上との出会い:様々な種目で磨かれた才能

旭川東高校への進学後、先輩や同級生らの話から陸上競技部顧問だった松橋昌巳氏が声をかけ、本格的に陸上競技を始めました。当初は水泳との両立。陸上も円盤投げ、砲丸投げの他、短距離走にも取り組んでいます。そんな中、やり投げは高校1年生からインターハイに出場。10月の日本ユース選手権で3位となり、ここからやり投げがメインになりました。

しかし、寒さが厳しい冬の北海道では、グラウンドが使えない時はバトミントン、ハンドボール投げの練習を行っていますし、大学や現在のチェコでもトレーニングに水泳を取り入れています。

マルチスポーツ経験がもたらした競技パフォーマンスの進化

基本的な身体能力の向上

北口選手のように複数の競技を経験すると、各スポーツの特性が相乗効果を生み、全身を効果的に使う能力が向上します。

  • 水泳から:持久力、肺活量の増加。
  • バドミントンから:素早い反応力と空間認知能力の向上。
  • 短距離走から:爆発的なスピードと動作の鋭さ。

これらは、やり投げという瞬発力を要する競技にそのまま転用されました。

心理面での強さ

  • 異なるスポーツを経験する中で、「競技ごとのプレッシャーへの対処法」や「試合中の適応力」が養われ、これが国際大会の舞台でも落ち着いたパフォーマンスを可能にしました。
  • さらにバドミントンでの試合経験は、やり投げで求められる集中力や自己管理力をサポートしています。

マルチスポーツで掴んだ夢

スポーツ庁が語る『マルチスポーツ』のメリット

身体機能の向上ケガの防止

複数のコミュニティーに所属し、多様な指導者や仲間と出会うことで、社会性協調性を育むことにつながる

運動面だけでなく人間形成において意義が大きいとしています。

2024年のパリオリンピックで67mを超える記録で金メダルを獲得した北口選手は、試合後に「多くのスポーツが私の人生にとっての教師でした」と語りました。この発言から、彼女がマルチスポーツから受けた恩恵を物語っています。また、彼女の笑顔が周りも幸せにしています。

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